2014年10月19日日曜日

マルチキャスト 3.IGMPv1



◆IGMPとは
  
 IPマルチキャストを効率よく配送する為にマルチキャストグループを制御する為のプロトコルです。
 IGMPを利用する事によりどのホストがどのマルチキャストグループに属しているか把握する事が出来ます。
 バージョンv1,2,3はございます。

◆IGMPv1とは
 IGMPの1つ。特徴としてはマルチキャストルータが定期的にクエリを送信し、
 マルチキャスとメンバーが属しているが確認する必要がございます。

◆マルチキャストの基本動作
 (1)グループへの参加
  マルチキャストグループに参加したい場合は、マルチキャストグループアドレスに対して、
  レポート「IGMP Join メッセージ」を送信します。
  
 (2)グループの維持
  マルチキャストグループを維持し続けるためには、60秒毎にクエリを送信する必要があります。
  尚、マルチキャストグループ内の1メンバーのみクエリ応答するだけで良い仕様になっております。

 (3)グループ離脱
  (2)の応答がなければ、マルチキャストグループに属しているメンバーはないと判断し、
  グループから離脱する事が出来ます。
  ※離脱する際に、クエリ等を送信する必要はございません。

◆IGMPv1の問題点
 ・参加/離脱遅延
   マルチキャストグループへの参加をし、60秒以内にグループから離脱賭した場合に、
   離脱したマルチキャストホストへパケットを送ってしまう。

マルチキャスト 2.Dense ModeとSparse Mode

マルチキャスト 2.Dense ModeとSparse Mode

◆マルチキャスト概要
 マルチキャスとアドレスは、専用のアプリケーションを起動してないと受信する事が出来ません。
 従ってマルチポップルータに対して明示的にマルチキャストアドレスを受信したいと、
 要求する必要がございます。
 受信要求する為に利用されるプロトコルがIMGPです。

◆マルチキャストのルーティングプロトコル

 ・PIM-Dense Mode(デンスモード)

  全てのホストへ配信して、配布不要と通知(Pruningメッセージ)があった該当ホストへは3分間マルチキャストパケットを送信しない方式です。
  主にマルチキャストメンバーが集約されている場合に利用されます。
  
  ユニキャストルーテリングプロトコルに依存しない為、EIGRPのようなネットワーク下でも動作します。
  しかし、不要な帯域を使ってしまう点、3分毎にPruningメッセージが必要である点が問題点です。
  
   Router(config)# ip multicast-routing 
   Router(config)# int fa0/0 
   Router(config-router)# ip pim dense-mode  

 ・PIM-Sparse Mode(スパースモード)


  配信要求があったホストについてマルチキャストパケットを送信する方式です。

  マルチキャストメンバーが分散されていて、帯域幅に余裕がない時に利用されます。
  最初に空のディストリビューションツリーを作成し、配信要求及び脱退要求に応じて本ツリーを変更していきます。
  尚、ディストリビューションツリーの中心にはRP(ランデブーポイント)があり、配信要求等を処理します。

   Router(config)# ip multicast-routing 

   Router(config)# ip pim rp-address {配信元アドレス}
   Router(config)# int fa0/0 
   Router(config-router)# ip pim sparse-mode

マルチキャスト 1.マルチキャスト基礎



◆マルチキャスト

◆マルチキャストとは
マルチキャストとは、特定のネットワークに対して1つのデータを同時に送信する送信方式です。
マルチキャストはトラフィックを受信するグループ(マルチキャストグループ)のマルチキャストアドレスに対して1つのパケットを送信する為、
トラフィックを効率よく伝送する事が出来ます。
又、マルチキャストグループに属していないホストへは送信しない(IGMPスヌーピング)為、
不要な帯域消費を防ぐ事が出来ます。
 ※利用されているテクノロジー ストリーミング配信

◆マルチキャストの用語
 (1) マルチキャストグループ
   マルチキャストはトラフィックを受信するグループ

 (2) マルチキャストアドレス
   マルチキャストグループの宛先アドレス(クラスD 224.0.0.0 ~ 239.255.255.255)
    *マルチキャスト種類
     ・リンクローカルアドレス(224.0.0.0 ~ 224.0.0.255)
       ネットワークプロトコル用(ルートの伝達)で予約されている。
       224.0.0.2 サブネット内の全ルータ
       224.0.0.5 OSPF
       224.0.0.6 OSPF(指定ルータ)
       224.0.0.9 RIP
       224.0.0.12 DHCPリレーエージェント
       224.0.0.13 PIMルータ

     ・グローバルスコープアドレス(224.0.1.0 ~ 238.255.255.255)
       組織間及びインターネット経由でマルチキャスト配信可能であるアドレス
     
     ・SSMアドレス(232.0.0.0 ~ 232.255.255.255)
           1対多コミュニケーションにおける効率的なデータ配信用として予約されているアドレス
       PIMプロトコルの拡張機能

     ・GLOPアドレス(233.0.0.0 ~ 233.255.255.255)
           AS番号を保持している組織に対して静的定義するアドレス

     ・限定スコープアドレス(239.0.0.0 ~ 239.255.255.255)
           組織内(ローカル)限定で使用可能であるアドレス

 (3)マルチキャストルータ
   マルチキャストが有効になっているルータ


 (4)クエリア
   クエリを送信するルータ

 (5)ファーストポップルータ
   送信元に一番近いルータ

 (6)ラストポップルータ
   受信元に一番近いルータ


2014年5月30日金曜日

OSPF マルチエリア 4.OSPFのネットワークタイプについて

OSPFのネットワークタイプについて

OSPFではL2ネットワーク環境により、
大きく分けて3つのネットワークタイプがあります。

(1)ブロードキャストマルチアクセス 
  ネットワークタイプ:イーサネット
  Hello間隔:10秒
  Deadタイマー:40秒

(2)非ブロードキャストマルチアクセス(NBMA)
  ネットワークタイプ:フレームリレー、X.25、ATM等
  Hello間隔:30秒
  Deadタイマー:120秒
  その他:マルチキャストが利用出来ない為、ネイバー手動で設定する必要あり。

   Router(config-router)# neighbor {ネイバーIPアドレス}  

(3)ポイントツーポイント 
  ネットワークタイプ:PPP、HDLC、専用線
  Hello間隔:10秒
  Deadタイマー:40秒
  その他:ポイントtoポイントで接続するため、DR/BDRの選出は不要

◆ネットワークタイプの手動設定方法
  Router(config-if)# ip ospf network {ネットワークタイプ} 

2014年5月24日土曜日

Catalystスイッチについて

Catalystの基礎について

◆起動順序について
 ⑴電源供給(電源ケーブルで給電)
 Postの実行
  POSTは、スイッチが正常に機能していることを確認する一連のテストの事。
  又、正常起動しているか以下のランプ色で確認する事が出来ます。
  LEDランプ
   *SYST
    ・消灯:電源が供給されていない。
    ・オレンジ:正常に起動出来ていない。
    ・ミドリ:正常起動している。

   【モードボタン】
    []モードボタンを10秒以上押し続けると、強制再起動する。

    *STATが選択されている場合
     ・消灯:シャットダウン状態(ケーブル未接続も含む)
     ・オレンジ(点灯):データの送受信をしていない(ブロックポート)
     ・ミドリ(点滅):データ送受信中
     ・ミドリ(点灯):データ送受信が可能であるが、データが流れていない

    *DPLXが選択されている場合
     ・消灯:シャットダウン状態(ケーブル未接続も含む)又は半二重モードで動作している
     ・ミドリ(点灯):全二重モードで動作している

    *SPDが選択されている場合
     ・消灯:シャットダウン状態(ケーブル未接続も含む)
     ・オレンジ(点灯):シャットダウン状態(ケーブル未接続も含む)又は10Mnpsで動作している
     ・ミドリ(点滅)100Mbpsで動作している。 

   ⑶レジスタ値確認
  設定されているコンフィグレーションレジスタにより、起動方法が異なります。
   *主なコンフィグレーションレジスタ値
   ・0x2100
     ROMモニターモードを起動する。
   ・0x2102 
     通常起動
   ・0x2142 
     startup-configをロードせずに起動する。
     主にパスワードリカバリ時に使用する。
   ※パスワードリカバリ手順はこちら!
    
  *主なビット番号の意味について
   (1)4桁目の「2」(0010)
    ブートが失敗した場合、ROMモニターモードで起動する。
   (2)3桁目の「1」(0001)
    ブレーク信号を無視する。
   (3)2桁目の「4」(0100)
    startup-configをロードせずに起動する。
   (4)4桁目の「2」(0010)
    boot systemコマンドで設定したIOSを起動する。 
 
  *コンフィグレーションレジスタ値の変更方法
    ⑴コンフィグレーショングルーバルモードにて変更する方法 
       Catalyst(config)# config-register コンフィグレーションレジスタ値 
  
    ⑵ROMモニターモードにて変更する場合
      電源ON時にブレーク信号を出し、ROMモニターモードへ
      ※ハイパーターミナルの場合、 Ctrl + Break キー。TeraTermの場合は、Alt + B
       

        rommon 1>confreg コンフィグレーションレジスタ値 


 IOS読み込み
   起動するIOS show bootコマンドで確認する。
     Catalyst# show boot 
   <起動するIOSを変更したい場合>
     Catalyst(config)# boot system flash:/ファイル名 
  
   又、起動可能はIOSは以下のコマンドで確認出来ます。
     Catalyst# show flash: 
   ※ちなみに、vlan.datVLAN情報が格納されている設定ファイルです。
   
   
 startup-config読み込み


 ⑹完了

2014年5月20日火曜日

STP基礎(拡張機能)

■STPの拡張機能について

・portfast

 サーバやパソコンが接続されるアクセスポートにおいて、
 即座にBlocking状態からForwarding状態へ遷移させる事により高速収束を可能とする機能。
 ※スイッチやルータに接続されるポートにて有効にしてはいけません。
 >>オススメ記事:Portfast・BPDUガード・BPDUフィルターの仕様・設定方法を図解解説
 
 (1)トランクポート以外の全ポートにportfastの設定を有効する場合
   Catalyst(config)# spanning-tree portfast default

 (2)ポート毎にportfastの設定を有効する場合
   Catalyst(config-if)# spanning-tree portfast 

Uplinkfast

 Blockingポートを保持するスイッチにおいて、直接リンク障害が発生した際、
 即座にBlocking状態からForwarding状態へ遷移させる事により高速収束を可能とする機能。

 Catalyst(config)# spanning-tree uplinkfast

Backbonefast

 L2ネットワークにおいて、Blockingポートを保持するスイッチからみて間接障害は発生した際、
 最大エッジ時間を待つ事なくListening状態、Learning状態、Forwarding状態へ遷移させる機能。
 通常のSTPの場合、収束に最大50秒必要なのに対して、
 本機能を利用する事により最大30秒迄減らす事が可能。

 Catalyst(config)# spanning-tree backbonefast 

・ループガード

 Blockingポートを保持するスイッチにおいて、誤動作によりBPDUを受信しなくなった場合、
 ループレスと判断しBlockingポートをforwardingポートへ遷移させます。
 本機能は利用する事により、forwarding状態でなくLoopguardblock状態へ遷移させ
 ループを防ぐ事が出来ます。
 >>オススメ記事:ルートガード・ループガードの仕様・設定方法を図解解説

 (1)全ポートに有効する場合
  Catalyst(config)# spanning-tree loop guard default

 (2)ポート毎に設定を有効する場合
  Catalyst(config-if)# spanning-tree guard loop

・ルートガード

 意図しないスイッチがルートブリッジになる事を防止する機能です。
 優先後の高いBPDUを受信した場合、
 root-inconsistentモードに遷移する事により、ルートブリッジにならないようのする。
 
 Catalyst(config-if)# spanning-tree guard root

・BPDUフィルタリング

 portfastが設定されているポートはパソコンやサーバが接続されます。
 その為、BPDUを送受信を実施する必要がありません。
 本機能を活用する事により、portfastを有効にしているポートにおけるBPDUの送受信を防止する。

 (1)トランクポート以外の全ポートにportfastの設定を有効する場合
  Catalyst(config)# spanning-tree portfast bpdufilter default

 (2)ポート毎にportfastの設定を有効する場合
  Catalyst(config-if)# spanning-tree bpdufilter enable

・BPDUガード

 portfastが設定されているポートにてBPDUを受信した場合、ポートを無効化しループを防ぐ機能。
 その際、ポートは error-disableへ遷移させる。

 (1)トランクポート以外の全ポートにportfastの設定を有効する場合
  Catalyst(config)# spanning-tree portfast bpduguard default

 (2)ポート毎にportfastの設定を有効する場合


  Catalyst(config-if)# spanning-tree bpduguard enable



2014年5月19日月曜日

STP基礎(MST)

■MSTについて


MST(Multiple Spanning Tree)

 複数のVLANをグループ(インスタンス)にまとめて、
 インスタンス単位でスパニングツリーを実装する技術の事。
 MSTと利用する事により、トポロジの総数を減らす事が出来る。

  • IEEE802.1Sで標準化されている。
  • STPバージョンは「3」である。
  • RSTPのように高速収束が可能である。
  • 「領域(リージョン)」を使用して、同様のSTPグループを定義する。
  • 各リージョン内はRSTPが有効になります。

 <参考>
  ・IEEE802.1qの場合
   VLANの個数に関係なく、CSTで処理される。
   しかし、VLAN毎にルートブリッジを変更出来ない為、ロードバランシングが出来ない。
  ・RSTPの場合
   VLAN毎に定義されている個別のSTPポリシーで処理される。
   その為、 負荷分散をする事が出来る。
   しかし、 VLAN毎にBPDUをやり取りする為メモリ及びCPUへ負荷や通信帯域幅の消費など、
   影響を与える。
  ・MSTの場合
   前述の長所である「最小限のインスタンス」、「ロードバランシング」を双方実現可能である。
   MSTを活用する事により、ネットワーク管理者が必要なSTPインスタンスを設定する事が出来るようになる。

■ ISTインスタンスとMSTインスタンスについて

  ISTインスタンスとMSTインスタンスを説明する前に、リージョンについて記述する。

  • リージョン
   STP設定を共有するスイッチ群の事。
   1リージョンあたり、MSTインスタンスを最大65個(ISTインスタンス含めて)動作可能である。
   同一のリージョンに属する各スイッチには、以下の設定が同様ある必要があります。
   ※以下の情報が一致しなかった場合は、異なるリージョンとして判断されます。
   ①MSTコンフィグレーション名(32文字)
   ②MSTコンフィグレーションのリビジョン番号(0~65535)
   ③MSTインスタンスとVLANマッピングテーブル(0-4096)
   又、各MSTリージョン内ではプライオリティ/コストなどリージョン内で独自設定する事が可能である。


  • ISTインスタンス(Internal Spanning Tree)
    MSTリージョン外において、
    ループが発生しないようにL2トポロジを維持しているインスタンスの事。
    ISTにより、MSTリージョンを1つの仮想スイッチとして外部スイッチに示す事が可能である。
    尚、MSTリージョン内では、MST BPDUを利用して情報交換を実施し、
    MSTリージョン外では、IST BPDUを利用して情報交換を実現する。
    ※インスタンス番号は「0」を使う。

  • MSTインスタンス
    リージョン内のインスタンスの事。
    尚、情報交換についてはMSTインスタンス毎に、
    MSTリージョン内で送受信されているMST BPDU内にMレコード(M-Record)を付加して情報を伝えます。
    ※インスタンス番号は1~4096を使う

■MSTリージョン間及びリージョン内の動作について

 <MSTリージョン間>

   MSTインスタンスは各リージョンの境界でISTをCSTへ変換します。
   MSTリージョンを1つの仮想スイッチとして外部スイッチへ示します。
   その為、複数のMSTリージョン(仮想スイッチ群)と[存在すれば]802.1Dスイッチを
   CSTで構築します。
   尚、各リージョン間で送受信されるのはIST BPDUのみです。
   MST BPDUは送受信されません。
   ※MSTインスタンスでのロードバランシングが可能ですが、
    リージョン間でのロードバランシングは出来ません。 

 <MSTリージョン内>

   MSTリージョン内のルートスイッチの事を、CISTリージョナルルートと呼ぶ。
   インスタンス内のルートスイッチの事を、インスタンスルートと呼ぶ。
   尚、MSTリージョン内では、

   MST BPDU内にMレコード(M-Record)を付加して情報を伝えます。

◆◇◆◇ STP目次 ◆◇◆◇

スパニングツリーについて
 RSTPについて
 MSTについて
    Postfast、ループガード、BPDUガード等