2014年5月18日日曜日

STP基礎(RSTP)

■STPの種類について


CST(Common Spanning Tree) 

 複数のVLANネットワークを同一のSTPポリシーで構成するSTPの事。
 VLAN毎に自由にルートブリッジを選定出来ない為、ロードバランシングを実現する事が出来ない。


PVST+ ( Per-VLAN Spanning Tree Plus ) 

 複数のVLANネットワークを個別のSTPポリシーで構成するSTPの事。
 VLAN毎に自由にルートブリッジを選定出来る為、ロードバランシングを実現する事が出来る。
 ※デフォルトはPVSTです。


■RSTP(Rapid PVST+)

 通常のSTPではブロッキング状態からフォワーディング状態に遷移させる為に、収束は最大50秒の時間を要します。
 その為、フォワーディング状態になる為の間フレーム転送を実施する事が出来ません。
 それを解決するのが、「RSTP」。
 ・IEEE802.1Dで標準化されている。
 ・VTPバージョンは「2」である。
 ・RSTPはハンドシェイクプロトコルでBPDUを送受信して、ポート選出を行う。
 ・Helloパケットを2秒毎に送信する。
 ・数秒以内で収束する事が出来る。

 >>あなたにオススメの記事:RSTPの基本から設定方法を解説


   Catalyst(config)# spanning-tree mode rapid-pvst 
 
 ポートの遷移は以下の通りです。

 ポートの種類について

 ・ルートポート(RP)
   ルートブリッジ以外のSWにおいて選出される。選出方法は、ルートブリッジに最も近いポートへアサインされる。
   本ポートはフレームを受信するポートである。
 ・指定ポート(DP)
   各SWにおいてルートブリッジに最も近いポートへアサインされる。
   本ポートはフレームを送信するポートである。

 ・代理ポート(AP)
   ルートポートのバックアップポートとして利用。ルートポートがダウンすると即座にルートポートへ遷移する。

 ・バックアップポート(BP)
   指定ポートのバックアップポートして利用。指定ポートがダウンすると即座に指定ポートへ遷移する。


 ■RSTPのトポロジ構築について

RSTPにおけるトポロジ構築は数秒での収束を実現する為に、「Proposal BPDU」と「Agreement BPDU」を利用指定実現します。
※他のルートブリッジ、ルートポート、指定ポートの選出方法が同じです。
・AP/BPの選定方法について
 RP/DPに選出されていないポートの中から、AP/BPは選出されます。



 ・障害時のポート遷移について

 ◆パターン1 APポートを保持するスイッチにおいてる直接リンク障害
  APポートをDPポートへ即座に変更し、転送可能状態にする。

 ◆パターン2 APポートを保持するスイッチにおいてる間接リンク障害
  トポロジが変更になった旨をスイッチンドネットワーク内にフラッディングします。
  その後、以下のハンドシェイク手順を実施し、ポート選定を実施します。

  ①ネットワーク変更通知を受信します。
  ②双方のスイッチにおいてProposal BPDUを送信します。
   ※新規スイッチが接続された際は双方のスイッチはDPです。
  ③受信したProposal BPDUを比較して、RPを選定します。
  ④③を比較した結果、RPにポート遷移したスイッチは下位スイッチにAgreement BPDUを送信します。
  ⑤上位のスイッチは④のAgreement BPDUを受信後、フレーム転送を開始します。

 ・RSTPのステータスについて

   開始
    
 ①discarding
  フレームの転送は実施しないが、BPDUの受信は行う
  ※スイッチ初期化時にループが発生しないように、最初はBlockingポートになる。
  【STP】
    STPポートでいうと、BlockingListeningDisabledポートの事
      
 ②Learning
  受信したフレームを基に送信元MACアドレスを学習する
     
 ③Forwarding


  受信したデータフレームを転送する