■スパニングツリー(STP)とは
リング状に形成されたレイヤー2ネットワークにおいて、ブロードキャストストームの発生を防止する機能。ループを防止する為に、リング状のスイッチのいづれかで転送出来ない状態(ブロック状態)にする事により実現。
冗長構成を実現出来る非常に便利な機能である反面、設定不備などによるトラブルが多い。
・ループ発生を防止する為に、BPDUを使用する
※VLAN毎に無効化する事が可能です。
STPは以下のように動作する。
①ブリッジID選出
②ルートポート、指定ポート、非指定ポート算出
■ポートの種類について
STPのポート種別は、以下の3つがあります。・ルートポート(RP)
ルートブリッジ以外のSWにおいて選出される。選出方法は、ルートブリッジに最も近いポートへアサインされる。
本ポートはフレームを受信出来るポートである。
・指定ポート(DP)
各SWにおいてルートブリッジに最も近いポートへアサインされる。
本ポートはフレームを送信出来るポートである。
ルートポート及び指定ポート以外のポートの事。
本ポートはフレームの送受信不可のポートである。しかしBPDUは受信する。
送信元のブリッジID、送信元ポート番号の優先順位でRP・DPを選出する。
■ルートブリッジの選出について
スイッチのネットワーク上にて、基準となるスイッチを選出する必要がある。それが「ルートブリッジ」です。
ルートブリッジの選出方法は以下の通りです。
①ブリッジプライオリティが小さいSW
Router(config)# spanning-tree vlan vlan-id priority priority値
※priority値は0~65,535間で設定可能。デフォルトは、32,768です。
②MACアドレスが小さいSW
■STPのステータスについて
STPには以下4つの状態がある。開始
↓
①Blocking
フレームの転送は実施しないが、BPDUの受信は行う
※スイッチ初期化時にループが発生しないように、最初はBlockingポートになる。
↓
②Listening
ポートの選定を実施する為に、BPDUの送受信する
↓ ③Learning
受信したフレームを基に送信元MACアドレスを学習する
↓
④Forwarding
受信したデータフレームを転送する
管理者が意図的にshutdownしている状態
■STPタイマーについて
STPではループフリーなネットワークを実現する為に、頻繁にBPDU通信を実施しております。STPでは3つのタイマーがあります。
BPDUの送信間隔の事。デフォルト2秒
リスニングステートからランニングステートにとどまる時間。デフォルト15秒
BPDUの通信が途絶え、リンク障害が発生したと見なす時間の事。
最大経過時間を超えると、エージングアウトする。デフォルト20秒