2014年5月30日金曜日

OSPF マルチエリア 4.OSPFのネットワークタイプについて

OSPFのネットワークタイプについて

OSPFではL2ネットワーク環境により、
大きく分けて3つのネットワークタイプがあります。

(1)ブロードキャストマルチアクセス 
  ネットワークタイプ:イーサネット
  Hello間隔:10秒
  Deadタイマー:40秒

(2)非ブロードキャストマルチアクセス(NBMA)
  ネットワークタイプ:フレームリレー、X.25、ATM等
  Hello間隔:30秒
  Deadタイマー:120秒
  その他:マルチキャストが利用出来ない為、ネイバー手動で設定する必要あり。

   Router(config-router)# neighbor {ネイバーIPアドレス}  

(3)ポイントツーポイント 
  ネットワークタイプ:PPP、HDLC、専用線
  Hello間隔:10秒
  Deadタイマー:40秒
  その他:ポイントtoポイントで接続するため、DR/BDRの選出は不要

◆ネットワークタイプの手動設定方法
  Router(config-if)# ip ospf network {ネットワークタイプ} 

2014年5月24日土曜日

Catalystスイッチについて

Catalystの基礎について

◆起動順序について
 ⑴電源供給(電源ケーブルで給電)
 Postの実行
  POSTは、スイッチが正常に機能していることを確認する一連のテストの事。
  又、正常起動しているか以下のランプ色で確認する事が出来ます。
  LEDランプ
   *SYST
    ・消灯:電源が供給されていない。
    ・オレンジ:正常に起動出来ていない。
    ・ミドリ:正常起動している。

   【モードボタン】
    []モードボタンを10秒以上押し続けると、強制再起動する。

    *STATが選択されている場合
     ・消灯:シャットダウン状態(ケーブル未接続も含む)
     ・オレンジ(点灯):データの送受信をしていない(ブロックポート)
     ・ミドリ(点滅):データ送受信中
     ・ミドリ(点灯):データ送受信が可能であるが、データが流れていない

    *DPLXが選択されている場合
     ・消灯:シャットダウン状態(ケーブル未接続も含む)又は半二重モードで動作している
     ・ミドリ(点灯):全二重モードで動作している

    *SPDが選択されている場合
     ・消灯:シャットダウン状態(ケーブル未接続も含む)
     ・オレンジ(点灯):シャットダウン状態(ケーブル未接続も含む)又は10Mnpsで動作している
     ・ミドリ(点滅)100Mbpsで動作している。 

   ⑶レジスタ値確認
  設定されているコンフィグレーションレジスタにより、起動方法が異なります。
   *主なコンフィグレーションレジスタ値
   ・0x2100
     ROMモニターモードを起動する。
   ・0x2102 
     通常起動
   ・0x2142 
     startup-configをロードせずに起動する。
     主にパスワードリカバリ時に使用する。
   ※パスワードリカバリ手順はこちら!
    
  *主なビット番号の意味について
   (1)4桁目の「2」(0010)
    ブートが失敗した場合、ROMモニターモードで起動する。
   (2)3桁目の「1」(0001)
    ブレーク信号を無視する。
   (3)2桁目の「4」(0100)
    startup-configをロードせずに起動する。
   (4)4桁目の「2」(0010)
    boot systemコマンドで設定したIOSを起動する。 
 
  *コンフィグレーションレジスタ値の変更方法
    ⑴コンフィグレーショングルーバルモードにて変更する方法 
       Catalyst(config)# config-register コンフィグレーションレジスタ値 
  
    ⑵ROMモニターモードにて変更する場合
      電源ON時にブレーク信号を出し、ROMモニターモードへ
      ※ハイパーターミナルの場合、 Ctrl + Break キー。TeraTermの場合は、Alt + B
       

        rommon 1>confreg コンフィグレーションレジスタ値 


 IOS読み込み
   起動するIOS show bootコマンドで確認する。
     Catalyst# show boot 
   <起動するIOSを変更したい場合>
     Catalyst(config)# boot system flash:/ファイル名 
  
   又、起動可能はIOSは以下のコマンドで確認出来ます。
     Catalyst# show flash: 
   ※ちなみに、vlan.datVLAN情報が格納されている設定ファイルです。
   
   
 startup-config読み込み


 ⑹完了

2014年5月20日火曜日

STP基礎(拡張機能)

■STPの拡張機能について

・portfast

 サーバやパソコンが接続されるアクセスポートにおいて、
 即座にBlocking状態からForwarding状態へ遷移させる事により高速収束を可能とする機能。
 ※スイッチやルータに接続されるポートにて有効にしてはいけません。
 >>オススメ記事:Portfast・BPDUガード・BPDUフィルターの仕様・設定方法を図解解説
 
 (1)トランクポート以外の全ポートにportfastの設定を有効する場合
   Catalyst(config)# spanning-tree portfast default

 (2)ポート毎にportfastの設定を有効する場合
   Catalyst(config-if)# spanning-tree portfast 

Uplinkfast

 Blockingポートを保持するスイッチにおいて、直接リンク障害が発生した際、
 即座にBlocking状態からForwarding状態へ遷移させる事により高速収束を可能とする機能。

 Catalyst(config)# spanning-tree uplinkfast

Backbonefast

 L2ネットワークにおいて、Blockingポートを保持するスイッチからみて間接障害は発生した際、
 最大エッジ時間を待つ事なくListening状態、Learning状態、Forwarding状態へ遷移させる機能。
 通常のSTPの場合、収束に最大50秒必要なのに対して、
 本機能を利用する事により最大30秒迄減らす事が可能。

 Catalyst(config)# spanning-tree backbonefast 

・ループガード

 Blockingポートを保持するスイッチにおいて、誤動作によりBPDUを受信しなくなった場合、
 ループレスと判断しBlockingポートをforwardingポートへ遷移させます。
 本機能は利用する事により、forwarding状態でなくLoopguardblock状態へ遷移させ
 ループを防ぐ事が出来ます。
 >>オススメ記事:ルートガード・ループガードの仕様・設定方法を図解解説

 (1)全ポートに有効する場合
  Catalyst(config)# spanning-tree loop guard default

 (2)ポート毎に設定を有効する場合
  Catalyst(config-if)# spanning-tree guard loop

・ルートガード

 意図しないスイッチがルートブリッジになる事を防止する機能です。
 優先後の高いBPDUを受信した場合、
 root-inconsistentモードに遷移する事により、ルートブリッジにならないようのする。
 
 Catalyst(config-if)# spanning-tree guard root

・BPDUフィルタリング

 portfastが設定されているポートはパソコンやサーバが接続されます。
 その為、BPDUを送受信を実施する必要がありません。
 本機能を活用する事により、portfastを有効にしているポートにおけるBPDUの送受信を防止する。

 (1)トランクポート以外の全ポートにportfastの設定を有効する場合
  Catalyst(config)# spanning-tree portfast bpdufilter default

 (2)ポート毎にportfastの設定を有効する場合
  Catalyst(config-if)# spanning-tree bpdufilter enable

・BPDUガード

 portfastが設定されているポートにてBPDUを受信した場合、ポートを無効化しループを防ぐ機能。
 その際、ポートは error-disableへ遷移させる。

 (1)トランクポート以外の全ポートにportfastの設定を有効する場合
  Catalyst(config)# spanning-tree portfast bpduguard default

 (2)ポート毎にportfastの設定を有効する場合


  Catalyst(config-if)# spanning-tree bpduguard enable



2014年5月19日月曜日

STP基礎(MST)

■MSTについて


MST(Multiple Spanning Tree)

 複数のVLANをグループ(インスタンス)にまとめて、
 インスタンス単位でスパニングツリーを実装する技術の事。
 MSTと利用する事により、トポロジの総数を減らす事が出来る。

  • IEEE802.1Sで標準化されている。
  • STPバージョンは「3」である。
  • RSTPのように高速収束が可能である。
  • 「領域(リージョン)」を使用して、同様のSTPグループを定義する。
  • 各リージョン内はRSTPが有効になります。

 <参考>
  ・IEEE802.1qの場合
   VLANの個数に関係なく、CSTで処理される。
   しかし、VLAN毎にルートブリッジを変更出来ない為、ロードバランシングが出来ない。
  ・RSTPの場合
   VLAN毎に定義されている個別のSTPポリシーで処理される。
   その為、 負荷分散をする事が出来る。
   しかし、 VLAN毎にBPDUをやり取りする為メモリ及びCPUへ負荷や通信帯域幅の消費など、
   影響を与える。
  ・MSTの場合
   前述の長所である「最小限のインスタンス」、「ロードバランシング」を双方実現可能である。
   MSTを活用する事により、ネットワーク管理者が必要なSTPインスタンスを設定する事が出来るようになる。

■ ISTインスタンスとMSTインスタンスについて

  ISTインスタンスとMSTインスタンスを説明する前に、リージョンについて記述する。

  • リージョン
   STP設定を共有するスイッチ群の事。
   1リージョンあたり、MSTインスタンスを最大65個(ISTインスタンス含めて)動作可能である。
   同一のリージョンに属する各スイッチには、以下の設定が同様ある必要があります。
   ※以下の情報が一致しなかった場合は、異なるリージョンとして判断されます。
   ①MSTコンフィグレーション名(32文字)
   ②MSTコンフィグレーションのリビジョン番号(0~65535)
   ③MSTインスタンスとVLANマッピングテーブル(0-4096)
   又、各MSTリージョン内ではプライオリティ/コストなどリージョン内で独自設定する事が可能である。


  • ISTインスタンス(Internal Spanning Tree)
    MSTリージョン外において、
    ループが発生しないようにL2トポロジを維持しているインスタンスの事。
    ISTにより、MSTリージョンを1つの仮想スイッチとして外部スイッチに示す事が可能である。
    尚、MSTリージョン内では、MST BPDUを利用して情報交換を実施し、
    MSTリージョン外では、IST BPDUを利用して情報交換を実現する。
    ※インスタンス番号は「0」を使う。

  • MSTインスタンス
    リージョン内のインスタンスの事。
    尚、情報交換についてはMSTインスタンス毎に、
    MSTリージョン内で送受信されているMST BPDU内にMレコード(M-Record)を付加して情報を伝えます。
    ※インスタンス番号は1~4096を使う

■MSTリージョン間及びリージョン内の動作について

 <MSTリージョン間>

   MSTインスタンスは各リージョンの境界でISTをCSTへ変換します。
   MSTリージョンを1つの仮想スイッチとして外部スイッチへ示します。
   その為、複数のMSTリージョン(仮想スイッチ群)と[存在すれば]802.1Dスイッチを
   CSTで構築します。
   尚、各リージョン間で送受信されるのはIST BPDUのみです。
   MST BPDUは送受信されません。
   ※MSTインスタンスでのロードバランシングが可能ですが、
    リージョン間でのロードバランシングは出来ません。 

 <MSTリージョン内>

   MSTリージョン内のルートスイッチの事を、CISTリージョナルルートと呼ぶ。
   インスタンス内のルートスイッチの事を、インスタンスルートと呼ぶ。
   尚、MSTリージョン内では、

   MST BPDU内にMレコード(M-Record)を付加して情報を伝えます。

◆◇◆◇ STP目次 ◆◇◆◇

スパニングツリーについて
 RSTPについて
 MSTについて
    Postfast、ループガード、BPDUガード等

2014年5月18日日曜日

STP基礎(RSTP)

■STPの種類について


CST(Common Spanning Tree) 

 複数のVLANネットワークを同一のSTPポリシーで構成するSTPの事。
 VLAN毎に自由にルートブリッジを選定出来ない為、ロードバランシングを実現する事が出来ない。


PVST+ ( Per-VLAN Spanning Tree Plus ) 

 複数のVLANネットワークを個別のSTPポリシーで構成するSTPの事。
 VLAN毎に自由にルートブリッジを選定出来る為、ロードバランシングを実現する事が出来る。
 ※デフォルトはPVSTです。


■RSTP(Rapid PVST+)

 通常のSTPではブロッキング状態からフォワーディング状態に遷移させる為に、収束は最大50秒の時間を要します。
 その為、フォワーディング状態になる為の間フレーム転送を実施する事が出来ません。
 それを解決するのが、「RSTP」。
 ・IEEE802.1Dで標準化されている。
 ・VTPバージョンは「2」である。
 ・RSTPはハンドシェイクプロトコルでBPDUを送受信して、ポート選出を行う。
 ・Helloパケットを2秒毎に送信する。
 ・数秒以内で収束する事が出来る。

 >>あなたにオススメの記事:RSTPの基本から設定方法を解説


   Catalyst(config)# spanning-tree mode rapid-pvst 
 
 ポートの遷移は以下の通りです。

 ポートの種類について

 ・ルートポート(RP)
   ルートブリッジ以外のSWにおいて選出される。選出方法は、ルートブリッジに最も近いポートへアサインされる。
   本ポートはフレームを受信するポートである。
 ・指定ポート(DP)
   各SWにおいてルートブリッジに最も近いポートへアサインされる。
   本ポートはフレームを送信するポートである。

 ・代理ポート(AP)
   ルートポートのバックアップポートとして利用。ルートポートがダウンすると即座にルートポートへ遷移する。

 ・バックアップポート(BP)
   指定ポートのバックアップポートして利用。指定ポートがダウンすると即座に指定ポートへ遷移する。


 ■RSTPのトポロジ構築について

RSTPにおけるトポロジ構築は数秒での収束を実現する為に、「Proposal BPDU」と「Agreement BPDU」を利用指定実現します。
※他のルートブリッジ、ルートポート、指定ポートの選出方法が同じです。
・AP/BPの選定方法について
 RP/DPに選出されていないポートの中から、AP/BPは選出されます。



 ・障害時のポート遷移について

 ◆パターン1 APポートを保持するスイッチにおいてる直接リンク障害
  APポートをDPポートへ即座に変更し、転送可能状態にする。

 ◆パターン2 APポートを保持するスイッチにおいてる間接リンク障害
  トポロジが変更になった旨をスイッチンドネットワーク内にフラッディングします。
  その後、以下のハンドシェイク手順を実施し、ポート選定を実施します。

  ①ネットワーク変更通知を受信します。
  ②双方のスイッチにおいてProposal BPDUを送信します。
   ※新規スイッチが接続された際は双方のスイッチはDPです。
  ③受信したProposal BPDUを比較して、RPを選定します。
  ④③を比較した結果、RPにポート遷移したスイッチは下位スイッチにAgreement BPDUを送信します。
  ⑤上位のスイッチは④のAgreement BPDUを受信後、フレーム転送を開始します。

 ・RSTPのステータスについて

   開始
    
 ①discarding
  フレームの転送は実施しないが、BPDUの受信は行う
  ※スイッチ初期化時にループが発生しないように、最初はBlockingポートになる。
  【STP】
    STPポートでいうと、BlockingListeningDisabledポートの事
      
 ②Learning
  受信したフレームを基に送信元MACアドレスを学習する
     
 ③Forwarding


  受信したデータフレームを転送する



2014年5月8日木曜日

STP 基礎

■スパニングツリー(STP)とは

  リング状に形成されたレイヤー2ネットワークにおいて、ブロードキャストストームの発生を防止する機能。
  ループを防止する為に、リング状のスイッチのいづれかで転送出来ない状態(ブロック状態)にする事により実現。
  冗長構成を実現出来る非常に便利な機能である反面、設定不備などによるトラブルが多い。

  ・IEEE802.1dで定義されている
  ・ループ発生を防止する為に、BPDUを使用する

    Router(config)# spanning-tree vlan vlan-id 
   ※VLAN毎に無効化する事が可能です。
 STPは以下のように動作する。
 ①ブリッジID選出
 ②ルートポート、指定ポート、非指定ポート算出

■ポートの種類について

 STPのポート種別は、以下の3つがあります。
 ・ルートポート(RP)
   ルートブリッジ以外のSWにおいて選出される。選出方法は、ルートブリッジに最も近いポートへアサインされる。
   本ポートはフレームを受信出来るポートである。
 ・指定ポート(DP)
   各SWにおいてルートブリッジに最も近いポートへアサインされる。
   本ポートはフレームを送信出来るポートである。

 ・非指定ポート(NDP)
   ルートポート及び指定ポート以外のポートの事。
   本ポートはフレームの送受信不可のポートである。しかしBPDUは受信する。

※ルートブリッジへの距離(パスコスト)が同じ場合、
 送信元のブリッジID、送信元ポート番号の優先順位でRP・DPを選出する。

■ルートブリッジの選出について

 スイッチのネットワーク上にて、基準となるスイッチを選出する必要がある。
 それが「ルートブリッジ」です。
 ルートブリッジの選出方法は以下の通りです。

 ◇ブリッジID(ブリッジプライオリティ[2バイト]+MACアドレス[バイト])
  ①ブリッジプライオリティが小さいSW
    
    Router(config)# spanning-tree vlan vlan-id priority priority値 
    ※priority値は0~65,535間で設定可能。デフォルトは、32,768です。

   ↓同じ場合
  ②MACアドレスが小さいSW

■STPのステータスについて

STPには以下4つの状態がある。
   開始
    ↓
①Blocking
  フレームの転送は実施しないが、BPDUの受信は行う
  ※スイッチ初期化時にループが発生しないように、最初はBlockingポートになる。
    ↓  
②Listening
   ポートの選定を実施する為に、BPDUの送受信する
    ↓ 
③Learning
  受信したフレームを基に送信元MACアドレスを学習する
    ↓ 
④Forwarding
  受信したデータフレームを転送する

⑤Disabled
  管理者が意図的にshutdownしている状態

■STPタイマーについて

STPではループフリーなネットワークを実現する為に、頻繁にBPDU通信を実施しております。
STPでは3つのタイマーがあります。

・Helloタイマー(hello)
  BPDUの送信間隔の事。デフォルト2秒

・転送遅延タイマー(Max age)
  リスニングステートからランニングステートにとどまる時間。デフォルト15秒


・最大経過時間タイマー(Forward Delay) 
  BPDUの通信が途絶え、リンク障害が発生したと見なす時間の事。
  最大経過時間を超えると、エージングアウトする。デフォルト20秒