2011年11月29日火曜日

OSPF マルチエリア 2.LSAタイプとエリア



OSPF マルチエリア  




・マルチエリアの必要性


OSPFネットワークが大きくなると、


①LSAの情報が膨大になる。
②リンクステートデータベースが大きくなる。
③ネットワークの変更時、コンバージェンス(収束)に時間がかかる
④ルーティングテーブルが大きくなる。

ルータの負荷が大きくなる。

そこで、OSPFでは、ネットワークをエリアに分割して他のエリアのLSA情報のアドバタイズに制限をかける。

>>オススメ記事:LSA Type 5とは? 基礎〜LSDBの確認方法を図解解説

■ LSAのタイプ




LSAタイプ1(ルータLSA)

アジャセンシーに送られる詳細情報(ルータIDやコスト情報など)。
全ルータが全OSPFルータがルータLSAを生成する。

>>オススメ記事:LSA Type 1とは? 基礎〜LSDBの確認方法を図解解説


LSAタイプ2(ネットワークLSA)

他の接続情報(DRのアドレスなど)
DRがネットワークLSAを生成する。


LSAタイプ3(ネットワークサマリーLSA)

各エリアの情報(エリア毎の経路情報など)
ABRがネットワークサマリーLSAを生成する。

>>オススメ記事:LSA Type 3とは? 基礎〜LSDBの確認方法を図解解説

LSAタイプ4(ASBRサマリーLSA)

ASBRの情報(ルータIDやコスト情報など)
ABRがASBRサマリーLSAを生成する。

※ネットワークサマリーLSAとASBRサマリーLSAは、各エリア内にはフラッディングされるが、完全スタブエリアや完全NSSAにはフラッディングされない。

>>オススメ記事:LSA Type 4とは? 基礎〜LSDBの確認方法を図解解説

LSAタイプ5(AS外部LSA)

非OSPFドメインの情報(再配布された経路情報、コスト情報など)
ASBRがAS外部LSAを生成し、AS内にフラッディングする。

>>オススメ記事:LSA Type 5とは? 基礎〜LSDBの確認方法を図解解説

LSAタイプ7(NSSA外部LSA)

非OSPFドメインの情報(再配布された経路情報、コスト情報など)
NSSAのASBRがNSSA外部LSAを生成し、NSSA内にフラッディングする。

>>オススメ記事:LSA Type 7とは? 基礎〜LSDBの確認方法を図解解説




■ エリアタイプ


バックボーンエリア[ LSAタイプ 1,2,3,4,5 ]

複数のエリアと相互接続しているエリア。


標準エリア[ LSAタイプ 1,2,3,4,5 ] 

バックボーン以外のOSPFエリア

スタブエリア[ LSAタイプ 1,2,3 ] 

タイプ4,5を流さないエリア。

トータリースタブエリア[ LSAタイプ 1,2 ]

タイプ3,4,5を流さないエリア。


※スタブエリアとトータリースタブエリアでは、ASBRやバーチャルリンクのトランジットエリアにはなれない。


NSSAエリア[ LSAタイプ 1,2,3,7 ]

スタブエリア内にASBRが存在する事が出来るエリア。


トータリーNSSA[ LSAタイプ 1,2,7 ]

トータリースタブエリアにASBRが存在する事が出来るエリア。

※NSSAエリアとトータリーNSSAで発生したLSAタイプ7(NSSA外部エリア)が他のエリアに流れる際は、LSA5(AS外部LSA)をフラッディングする




■ バーチャルリンク


OSPFでは、全てのエリアはバックボーンエリアに属していなければなりません。
しかし、地理的や物理的に難しい時などやむを得ない時にバーチャルリンクという手法がある。
バーチャルリンクとは、ABR間で論理的に仮想リンクを確立させる手法です。
又、ABR間で仮想リンクを確立されているエリアをトランジットエリアをいいます。