2012年1月25日水曜日

MPLS基礎

MPLS基礎

◾️MPLSとは、
宛先IPアドレスの代わりに「ラベル」という識別子を使用して「ラベル」が示す方向にフォワーディングする技術です。IPヘッダ(20byte/可変長)へのパケット転送と比較すると、ラベルは4byte固定長である為パケット転送が可能になります。
※現在はネットワーク機器の処理能力が向上した為、高速転送を目的にした利用はあまりない。現在の利用用途としては、MPLSを使用する事により様々なネットワーク付加サービス(IP-VPN/広域Ethernet/通信経路の有効活用/QoS)などで利用されております。
詳細は、以下のMPLS長所に通りとなります。



◾️MPLSの長所


①通信経路の有効活用(MPLS-TE)
IGPを用いた場合、ある特定のリンクに片寄ってしまい特定のリンクに通信トラフィックが集中してしまいます。
MPLSでは、TE(トラフィック・エンジニアリング)と呼ばれる明示的に経路を特定する事によりトラフィックのパスをコントロールする事が出来ます。


②高速転送
通常のルーティングの場合は、IPアドレス(32bit)に基づいてパケットを転送します。しかし、MPLSで使用する「ラベル」は20bitで構成されている為ラベルスイッチングの方が高速に転送する事が出来ます。


③障害時即検知(FFR)
IGPでは、通信障害によって通信が数十秒遮断されてしまう可能性があります。
しかし、MPLSでは即座に他の代理経路に切り替える事が出来るFFRという機能があります。


④VPN(MPLS-VPN)
MPLSを利用して、拠点間で仮想専用線を確立し拠点間で通信可能にする技術です。ISPで提供されているIP-VPNはこの技術を採用している会社が多いようです。
MPLS VPNでは、各顧客の識別子であるRD(ルート識別子)を使用して他の顧客のルーティング情報を論理的に分割されております。その為、高いセキュリティを確保する事も可能です。




◾️MPLSの用語

ラベル
MPLSネットワーク内で転送する為に使用される識別子

LSR(Label Switch Router)
MPLSネットワークを構成しているルータの事。

LER(Label Edge Router)
MPLSネットワークの最先端のLSRの事。

Push(プッシュ)
MPLSネットワークでラベルを付けて転送する事

Swap(スワップ)
MPLSネットワークでラベルを付け替えて転送する事

Pop(ポップ)
MPLSネットワークでラベルを取り除いて転送する事

FEC(Forwarding Equivalence Class : フェック)
同じあて先ネットワークなどをまとめたパケットの集まりの事。

PHP(Penultimate Hop Popping)
LERでは、ポップとパケットの転送動作など他のLSRに比べて負荷が増大してしまいます。
PHPとは、LERの1つ手前のLSRでPOPする事によりLERの負荷を分散させる機能の事。



※ その他MPLS関連

MPLS LSP確立    //後日更新
MPLS基礎コマンド  //後日更新